完 CELEBRATION tour 2018
6月から始まったCELEBRATION tour 2018が無事全公演終了しました。会場に来てくださった皆様、本当にありがとうございました。
そしてファンの皆、心の底から感謝の気持ちを伝えたいです。
はじめに、今回のツアーはこれまで私がやってきた従来のツアーの形式を一度取り払って構成したいと思っていました。
会場も久しぶりのZepp公演からスタートさせてもらうことになり、
これまでやってきたアリーナやホールのツアー内容とは違う意識で演出する必要がある気がしました。
座席のないスタンディングでファンの皆が疲れないように。
最初から最後まで皆が興奮し続けられるように。
自分の頭に浮かんできたのはまずそのことでした。
様々なライブに足を運んだりして感じるのは、ライブは観る側もかなりの体力を使うということ。
せっかくライブに行ったら私も全力で一緒に歌い声をあげてライブを楽しみたい。
ライブに対して私自身がパワーとパワーのぶつかり合いみたいなものを理想としているから思ったことかもしれません。
何を歌うか。
それを考えるところからだいたいいつもツアーの準備がスタートします。
セットリストを決めていると歌いたい曲がどんどん増えていく。
あれも歌いたい。これも歌いたい。そういう気持ちになるんです。
でも今回はそうではなく、ある意味自己満足の長尺のセットリストにはしたくなかった。
疲れを感じないくらいあっという間に過ぎていく、形式にとらわれないスピード感を求めました。
セットリストを考えるのはいつもすごく難しい。
過去の曲もたくさんあるので、その中から何を歌うのかも悩ましく、でも私のことをあまり知らない方もライブにはいらっしゃる。
だから全国ツアーについては、来てくださるすべての人に満足してもらえる曲を選ぶことを心がけたいと思っています。
そして私がここ数年ずっと疑問に思っていたことがアンコールのあり方についてでした。
いつもセットリストにはアンコールがすでに用意されていて、誰もがそれを周知でいる。
アンコールがあるにも関わらず私は本編ラストに「最後の曲です」と言う。
予定調和のアンコール。
アンコールは、ほんとうにもう一度歌を聴きたい!という思いをオーディエンスの皆様がぶつけてくださった時に行われるのが本来のあり方なのではないか。
大きな反応を頂けなくても予定されているためにステージに向かう時。
逆にもっと歌いたいと思うような何もかもが最高な時。
アンコールとは。
そして毎年ツアーではファンの皆が必ずアンコール時のサプライズをやってくれます。
毎回のツアーで公演ごとに各地サプライズスタッフを自らしてくれるファンの皆。
曲を決めたりチラシを作って配ってくれたりSNSで拡散してくれたりしている。
とても大変なことなのに毎年必ずやってくれるんです。
このアンコール前のサプライズは私のライブならではのものだと思います。
それが本当に嬉しくて誇らしくて凄いことだと思っています。
だけどそれについて、昨年のUtopiaツアーから「ファンの皆の負担になっているのではないか」と気になるようになりました。
自然派生したサプライズ、私の為に始まったからにはファンの皆もやめるにもやめられないのではないかと。
皆からはもう充分沢山のサプライズをして貰った。こんなにも沢山の愛を与えてもらった。だからこそその形式的になってしまった事を私自身が打ち止めするべきなのかも知れないと。
そんな思いがあり、このツアーはアンコール無しで作ることを決心しました。
スタッフとも沢山話し合った上での決断です。
そしてもし仮に、私がステージからアウトしても信じられないほどのレスポンスが客席から返ってきたらアンコールをやらせていただこうと決めたのです。
兎に角ライブの内容もこれまでのツアーとは違うやり方に挑戦しようと思っていたのもあり、このツアーはやってみないことには未知の世界でした。
初日を迎え、本編は自分でも素晴らしいと自信を持って言えるものだったしスタッフも同じ気持ちだった。
でも結果として様々な意見が私に届きました。
感じ方は人それぞれだから、と思いながらも一生懸命準備してきたことだったので賛否両論流石に堪えました。
ものすごく悩み、落ち込んだ。
振り返れば、大阪の初日の公演はアンコールをするべき歓声を頂いていました。
本来ならステージに戻るべきだった。
今でもあの歓声を鮮明に思い出せます。
会場からいつまでも出ることなく叫んでもらえたこと。
ただあの日あの瞬間は、私が観てもらいたかったステージはあれだったと思う。
それだけは心からそう言えます。
私は自分が決めた演出方向を変えるということに対してすごく抵抗があった。
わかってくれる人だけがわかってくれればいいと。
いろんな意見を頂いてギリギリまで考え抜いて、
ただシンプルにアンコールが起こったらステージに出させてもらおうと決めました。
本編があまりにも素晴らしいのに、アンコールの有無だけでツアー自体を評価されるのは勿体ないと思った。
アンコールというものについて正直今も漠然としています。
でも名前を呼んでもらえる限り私はステージに立つべきなのだと思います。
「こうでなくてはいけない」というものはない。
いつも皆の想像を遥かに超えることがしたい。
ツアーが決まるといつもそんなことを思っているような気がします。
ライブというものをいささか神聖なものとして捉えすぎているのかも知れません。
でもライブが唯一大切なファンの皆との特別な空間だから、何よりも大切にしたいのです。
確かに見える愛の渦が生まれる場所を抱きしめたい。
ああ皆に会いたい。